2016年度 学園長メッセージ

みなさん、こんにちは。漫画カルチャー学園(MCG)学園長の野田陽子です。
2016年度のご挨拶、今年は私たちがとても大切に育てている「空間の空気感」についてお話しさせてくださいね。
大人になってから趣味の世界へ踏み出すとき、お仕事帰りの疲れた体で一人ペンを握っても、なかなかモチベーションが続かない日はありませんか?
効率よく技術を学ぶだけなら、パソコンが整然と並んだ静かな教室で、隣の人と会話もなくカリキュラムをこなすのも一つの正解やと思います。あるいは、主催者側が間に入って常連さん同士を積極的にお友達にしてくれるような、距離の近い場所も楽しいかもしれません。でも、私たちが作りたかったのは、そのどちらでもない空間 なんです。
MCGが目指したのは、かつて日本のオタク文化を熱く支えてきた「伝説の漫研」の空気感を、現代の自立した大人向けに心地よく蘇らせることでした。
漫研といっても、無理にグループを作って同調圧力をかけたり、休みの日に遊びに行くような過剰な交流を強要したりは一切いたしません。リアルの人間関係と、大切な趣味のアカウントの世界は、そっと切り離しておきたいデリケートな領域ですよね。だからこそ、事務局が間に入って「心地よい距離感」を厳格にお守りする、心理的安全性の高いサードプレイスを構築しました。
教室の扉を開けると、そこには不思議な熱気があります。ある方はオリジナル作品の壮大な世界観に没頭し、またある方は、推しカプの「どうしても譲れない体格差」をミリ単位で真顔で修正してはる。
それぞれが全く違うジャンルや解釈を持ちながらも、他者の領域に干渉せず、お互いの「尊い」を絶対に否定しない平和な空間です。誰ともお話しせず、ひたすらキャンバスに向かい合う「壁打ち」スタイルでも大歓迎ですよ。同じように特大の感情を抱えた大人たちが、同じ空間でそれぞれの好きに静かに向き合っている。ただその熱を帯びた空気の中に身を置くだけで、一人では決して得られない高揚感 と、創作への意欲が自然と湧き上がってきます。
私たちがご提供したいのは、単なる描き方の手順ではありません。
苦労して頭の中にある物語を形にし、完成した自分の作品をふと眺める瞬間に訪れる、あのたまらない喜び。その至福の時間を安心して味わっていただくための「環境」そのものです。
万が一、人間関係のちょっとしたノイズが起きそうな時は、私たち事務局がクッションとなって、皆さまの平和な時間を全力でお守りしますから、どうか安心してくださいね。
もし今、ご自宅で一人行き詰まりを感じていらっしゃるなら。どうぞ肩の力を抜いて、この熱気と創造性に満ちた空間へふらっと遊びにいらしてください。同じ想いを胸に秘めたプロの講師たちが、皆さまにとって一番心地よい距離感で、優しく伴走する準備を整えてお待ちしております。
学園長 野田陽子